朝井リョウ

【小説】朝井リョウ『もういちど生まれる』~瑞々しい20歳の青春群像劇、連作短篇集~あらすじと感想

2023年1月27日

『もういちど生まれる』朝井リョウ~瑞々しい20歳の青春群像劇、連作短篇集~

こんにちは、MAMOKOです。

本日も私が今までに読んだ小説を紹介します。

今回ご紹介するのは、朝井リョウさんの『もういちど生まれる』です。

MAMOKO
MAMOKO
一言でいうと、20歳前後のリアルな青春小説

こんな人に読んで欲しい

自分の将来について悩んでいる人

Amazon商品の説明より

彼氏がいるのに、別の人にも好意を寄せられている汐梨。

バイトを次々と替える翔多。絵を描きながら母を想う新。

美人の姉が大嫌いな双子の妹・梢。才能に限界を感じながらも

ダンスを続ける遙。みんな、恥ずかしいプライドやこみ上げる焦りを

抱えながら、一歩踏み出そうとしている。

若者だけが感受できる世界の輝きに満ちた、爽快な青春小説。

あらすじと読んだ感想

5作からなる短篇集。

・ひーちゃんは線香花火(汐梨)

・燃えるスカートのあの子(翔多)

・僕は魔法が使えない(新)

・もういちど生まれる(梢)

・破りたかったもののすべて(遙)

20歳前後の若者たちの夢と恋愛と葛藤と成長の話。

 

絶妙な繋がりを読んでいくのがおもしろかった。さすがです。

相手が変わると視点も変わって、人ってやっぱりいろんな面がある。

一面だけではわからない。

 

表題作の「もういちど生まれる」が特によかったです。

美人の姉を持つ双子の話。苦しくて、胸がぎゅっと締め付けられた。

 

どの年齢も一生に一度で特別だけど

明確に「大人」と表される「20歳」に対するそれぞれの想い。

特別な誕生日。もう倍以上過ごしてしまったけれど、自分はどう過ごしていた

かなって、ちょっと懐かしい気持ちになりました。

 

他人と比べなくていいと思えるには、もう少し時間と経験が必要かもしれない。

彼ら、彼女らの葛藤や揺れる思いに寄り添うには、年が離れすぎていて難しかったけど、

みんなにもっと楽に生きられるよって伝えてあげたくなりました。

 

誰かが与えてくれたチャンスも大事、自分でチャンスをつかむのも大事。

誰だって、いつだってやり直せる。

自分に自信がなくて、嫉妬とか焦りに押しつぶされそうでも、

もういちど生まれることができる。そんな希望が持てる読後感でした。

 

短編の良さの読みやすさもあってとても良かったです。

前に読んだ朝井リョウさんの2作の「正欲」と「何者」のような

ぐさっと刺さる感じが好きな人には物足りないないかもしれない。

でも、どの作品にも共通して言えるのは、言葉選びとか表現がきれい。

朝井リョウさん、心理描写がとにかく素敵です。

最後に

朝井リョウさんの『もういちど生まれる』は、20歳前後のリアルな青春小説です。

高校生とか同年代のかたには特におすすめですが、どの年代のかたにもおすすめです。

コンプレックスとか嫉妬とか、努力とか才能とか、締め付けられている何かを、

そっとほどいてくれる優しい作品でした。

新井リョウさんの別の作品も紹介してます。

新井リョウさんの作品【小説】朝井リョウ『正欲』~2022年本屋大賞ノミネート作品、映画化原作~あらすじと感想

続きを見る

新井リョウさんの作品【小説】朝井リョウ『何者』~第148回直木賞受賞作品、映画化原作~あらすじと感想

続きを見る

Audibleは登録から30日間の無料期間もついているので、

試してみる価値ありです。

※聴き放題の対象作品は変更になる場合があります

読書好きな人、これから読書を始めた人はぜひ参考にしてね。

参考Amazonの読み放題サービスのメリット・デメリット、Kindle Unlimitedとは?料金・解約について

続きを見る

参考Amazonのオーディオブック聴き放題サービス、Audibleとは?メリット・デメリット、料金・解約について

続きを見る

 

本日は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-朝井リョウ