【小説】住野よる『恋とそれとあと全部』～デビュー10作目、恋愛青春小説の傑作～あらすじと感想

『恋とそれとあと全部』住野よる～デビュー10作目、恋愛青春小説の傑作～

こんにちは、MAMOKOです。

本日も私が今までに読んだ小説を紹介します。

今回ご紹介するのは、住野よるさんの『恋とそれとあと全部』です。

タイトルと表紙にやられて、どうしても読みたくなった本。

MAMOKO

一言でいうと、片想い中の特別な四日間の話

こんな人に読んで欲しい

表紙に心惹かれた人
恋愛小説が読みたい人
青春にどっぷりハマりたい人

Amazon商品の説明より

片想い男子とちょっと気にしすぎな女子。二人は友達だけど、違う生き物。一緒に過ごす、夏の特別な四日間。

めえめえ(瀬戸洋平)は下宿仲間でクラスメイトの女子サブレ(鳩代司)に片想いをしている。告白もしていないし、夏休みでしばらく会えないと思っていた。そのサブレが目の前にいる。サブレは夏休み中に遠方にあるじいちゃんの家に行くのだが、それはある〝不謹慎な〟目的のためだった。

「じゃあ一緒に行く?」

「うん」

思いがけず誘われためえめえは、部活の休みを利用してサブレと共にじいちゃんの家を目指す。夜行バスに乗って、二人の〝不謹慎な〟そして特別な旅が始まる――。

恋という気持ちが存在する、この世界に生まれてしまった全てのあなたへ。

住野よる

あらすじと読んだ感想

片想い中のクラスメイトに、じいちゃんちに一緒に行こうと誘われる。会えないと思っていた夏休みが、急展開で四日間一緒に過ごすことになった。めえめえとサブレの、特別な四日間の話。

表紙に引っ張られて、読んでいる間ずっときれいなブルーの景色に浸っている感じがした。初めてみた時の、爽やかでキラキラした印象がずっとあった。色で表現できる読書時間、好きです。

サブレとめえめえ。かわいらしいあだ名。

二人の夏の四日間は、私には眩しすぎた。

突然決まった旅行。

近くて遠い夜行バス。

じいちゃん家で過ごした時間。

新幹線での帰り道。

どの場面も繊細な心の揺れが絶妙に描かれていたけど、夜行バスは特によかった。旅が始まるワクワクとキュンキュンが溢れてました。

誰もが経験したであろう、もどかしい気持ちとか、些細なできごと、初めて抱く思いとか、住野よるさんの描写がとても素敵でした。青春って、思春期っていいなあ。

ただ単純に、爽やかで青春な高校生の恋愛だけってわけじゃなくて、それぞれの性格とか、人に対する向き合い方、生きること、死ぬことについて考える時間を与えてくれた作品でした。死というテーマでありながら、重くなり過ぎず、不謹慎だけで終わらなくてよかった。

サブレから発せられる言葉にとても惹かれる。めえめえが新しい発想が知れるっていうのに共感しかない。言い直しはしすぎなんじゃないかとも思うけど、気にする気持ちもわかる。言う前に気にしすぎて、言わないから伝わらない。そっか、言い直せばいいのか。って思う反面、言い直しを受け入れてくれるめえめえみたいな存在が重要。ほかの友達には「めんどくさい」で片付けられてしまうことも、”サブレらしい”で受け入れてくれるめえめえ。好きって偉大だなって思いました。考え方とか、自分ルールが割とあってどちらかと言えば「めんどくさい」私にとっては、二人の会話は共感と好感で溢れてました。

旅が終わる前の二人の時間。ページ数も残り僅かだけど、って勝手にドキドキした読者は私だけじゃないはず。下宿に着くまでの二人の時間、会話、行動。どれをとってもよかったです。虹が違うように、人も違う、感情も感動も違う。自由でいい、自由がいい。（ここまで読んで勝手に作ったイメージだったとしても）めえめえらしく、サブレらしい時間だったなと思いました。恋と、それと、あと全部でした。

住野よるさんのデビュー10作目。『君の膵臓をたべたい』から10作目。衝撃だったし、何回読んでも泣く。何回も読みたい。それにしても、どの作品もタイトルと表紙の破壊力が半端ない。一瞬で惹き付けられる。そして、ページを捲れば、文章にどんどん惹き込まれる。

無敵の青春小説家でありたい、これからもずっと、と、ご本人も書いていらっしゃったので、今後も青春小説読み続けられそう。

途中、私が読んでていいのか？って思いながら読み進めていたけど、結論やっぱりキュンは良き。

最後に

住野よるさんの『恋とそれとあと全部』は、片想いしている女子と一緒に過ごすことになった四日間の話。まぶしすぎてちょっと恥ずかしかったりもしたけど、恋愛青春小説は読んでて楽しかったです。一つ気になったのが、著者紹介に書いてあった「サービスエリアが好き」の一言。何やろうって思ったんですが、この紹介文に好物を一つ載せるのが恒例らしいです。単行本限定らしいので文庫本じゃ気づかなかったかも。作中にもサービスエリアのエピソードが出てきました。私は完全に、にいちゃん側の意見だったけど、サブレ的な考えもあるんだなと、新しい発見でした。視点変えるっておもしろい。気になった方は、ぜひ読んでみて、感想聞かせてくれたら嬉しいです。

住野よる

住野よるさんの別の作品も紹介してます。