『むらさきのスカートの女』今村夏子~芥川賞受賞作、何も起こらないのになんか怖い日常小説~
こんにちは、MAMOKOです。
本日も私が今までに読んだ小説を紹介します。
今回ご紹介するのは、今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』です。
こんな人に読んで欲しい
芥川賞受賞作が読みたい人
ゾッとする小説が読みたい人
人間観察が好きな人
Amazon商品の説明より
近所に住む「むらさきのスカートの女」と呼ばれる女性のことが、気になって仕方のない〈わたし〉は、彼女と「ともだち」になるために、自分と同じ職場で働きだすように誘導し……。
あらすじと読んだ感想
「むらさきのスカートの女」と「ともだち」になりたい「わたし」のはなし。
※ネタバレ含みます
タイトルと表紙が気になって、ずっと読みたかった本。なんで表紙のスカートはむらさきじゃないの?ってことも気になっていたけど、そもそも水玉の布であって、スカートじゃない。じゃあ、この2人は誰なのか?って考察するには、1回読んだだけじゃわからなかった。
あらすじも確認せずに読み始めたので、最初ちょっと怖かった。とても不思議な話。「むらさきのスカートの女」より、「黄色いカーディガン」の女のほうが気になる。むらさきのスカートの女は彼女で、黄色いカーディガンの女はわたし。その感覚は最初からずっとあったから、読んだ後に、レビューをいくつか読んで、むらさきと黄色は同一人物じゃないか?という意見も多くあったのに驚いた。
途中まで、「ストーカー」って言葉が頭から離れなかった。むらさきのスカートの女のストーカーの話なの?ってこう書くとちょっと意味わからん。アナグラム的に、むらさきのストーカーの女にも見えなくもないけど。。。でも、私の好きな不穏な空気が流れていて、ずっとゾワゾワしてました。
むらさきのスカートの女は、ホテル勤務を始めてから明るくなって、子供たちとも仲良くなって、仕事もしっかりしていたのに。なんであんなことになってしまったのか。女ばっかりの社会のめんどくさいところや、イヤなところがギュッ詰まっててちょっと息苦しかったけど、それはそれでとてもおもしろかった。これは、”めっちゃ好き”っていうより、”嫌いじゃない”って表現がハマる作品でした。もちろん誉め言葉。
短いけど、本読んだ―!って満足感があった。これが芥川賞作品ってこと?とか考えたり。恋愛小説とか推理小説とか、そういうカテゴリーで分けにくくて、ある意味日常小説だけど、こんな日常は絶対イヤ!みたいな感じ。
むらさきのスカートの女のことは、わたしがいろいろ教えてくれてだいぶわかったのに、黄色いカーディガンの女のことが、全くわからなくてそれも怖かった。
それにしても、ここのホテルはいろいろ問題ありそう。お掃除担当だけで、チーフが多すぎな気がする。ほんとうがはっきり書かれていないからわからないけど、辞めるべきだったのは、むらさきのスカートの女じゃなかったんだろうな。
最初から怖かったけど、後半は特に怖かった。「わたし」は普通だと思っていたのに、実はそうじゃなくて。まぁまぁっていうか、かなりヤバい奴だった。っていうのが、読んでいくうちにわかっていく。それがなんとも不気味。食い逃げしたり、無断欠勤したり、家追い出されたり、まじでヤバい奴だったけど、とてもおもしろくて凄く満足でした。
読後はモヤモヤするけど、この世界観を味わえたことがなんか楽しい。仕事して、散歩して、公園でパン食べる。それだけなのに、とても狂気的でした。
「わたし」と「黄色いカーディガンの女」と「権藤さん」に注意しながら、もう一度最初から読んでみたいと思います。
最後に
今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』は、一言でいうと狂気的な日常小説です。おかしいのは誰か?普通なのは誰か?読み始めたときの意識から、徐々に変わっていく話の流れは、とてもおもしろかったです。何も起こらないのになんか怖い、そんな感じを味わいたい人、ぜひ読んでください。表紙の足は誰なのか、じっくり考察できるようにまた読んでみたいです。
読書好きな人、これから読書を始めた人はぜひ参考にしてね。
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本日は、以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。