早瀬耕

【小説】早瀬耕『プラネタリウムの外側』~恋愛と世界についての連作集~あらすじと感想

2022年10月5日

『プラネタリウムの外側』早瀬耕~恋愛と世界についての連作集~

こんにちは、MAMOKOです。

本日も私が今までに読んだ小説を紹介します。

今回ご紹介するのは、早瀬耕さんの『プラネタリウムの外側』です。

MAMOKO
MAMOKO
一言でいうと、SF恋愛小説

こんな人に読んで欲しい

ストレートな恋愛小説はちょっと照れるって人

Amazon商品の説明より

北海道大学工学部2年の佐伯衣理奈は、元恋人が友人の川原圭の背中を、

いつも追いかけてきた。そんな圭が2カ月前、札幌駅で列車に轢かれて亡くなった。

彼は同級生からの中傷に悲観して自死を選択したのか、

それともホームから転落した理性を救うためだったのか。

衣理奈は、有機素子コンピュータで会話プログラムを開発する

南雲助教のもとを訪れ、亡くなる直前の圭との会話を再現するのだが。

恋愛と世界についての連作集。

あらすじと読んだ感想

2017年に読んだ本で一番好きだった『未必のマクベス』 早瀬耕さんの作品。

読み終わった後に好きすぎて抱きしめました笑。

読み終わるのがもったいなくて、この作品の中にずっといたいと思ってました。

5作品からなる連作集で、1つ目の「有機素子ブレードの中」からの

5つ目の「夢で会う人々の領分」のラストの1文、

あれ以上の言葉はないってくらい素晴らしかったです。

何より気持ちいいです。そして、どの作品もタイトルがとても素敵でした。

 

基本的に男女が登場する話ですが、前面に恋愛小説感は出てなくて、

なんていうか大人の切ない恋愛小説って感じがします。距離感がとても好きでした。

いつか本当に外側に記憶された自分の記憶が、誰かの手によって書き換えられるかもしれない。

っていうあり得ないけど、ありそうな来て欲しくない未来の話。

いつか本当に亡くなった人との最後の思いが聴けるかもしれない。

っていう今はあり得ないけれど期待する未来の話。

そういった、仮想現実と現実世界、内側と外側、

コンピューターの中とリアルな世界のどちら側にいるのか、

たまにわからなくなってしまうけど、それが気持ち悪いというよりは、

なんとなく楽しめるのがおもしろい。わたしもナチュラルと会話したい。

当時いろいろもやもやしていたときに、同じ世界にいない

プラネタリウムの外側って表現がしっくりきて、

何かがすとんと落ちました。いつか富山に行って、

プラネタリウムと大きな図書館を実際に見たいと思いました。

最後に

早瀬耕さんの『プラネタリウムの外側』は、

恋愛小説読みたいけどちょっと照れるなって人に読んで欲しいなって思います。

SFも感じつつ、心地よい距離感の恋愛小説として楽しめると思います。

理解しようとするよりも、世界観を感じたほうが

入り込めるし楽しめる作品だと思いました。

「未必のマクベス」で早瀬耕さんの虜になった人にもぜひ読んで欲しいです。

「プラネタリウムの外側」の前日譚として書かれている「グリフォンズガーデン」ですが、

どっちを先に読んでも大丈夫ですが、できたらどっちも読んで欲しいです。

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本日は、以上です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-早瀬耕